現役の引越し営業マン
某引越会社の社員:ナカムラ
2006年より、某大手引越会社の営業を担当している現役の営業マン。営業成績10年連続全国1位。これまでの豊富な経験を元に、安くかしこく引越しするための裏事情をシェア(会社にはナイショ)。
「仏壇を引越しするときの荷造りの注意点は?」
「仏壇を移動するときの供養のや引越し費用は?」
引越し情報専門サイト「引越しママのみかた」を管理&運営している、某引越会社の社員のナカムラと申します。
仏壇が自宅にある場合、引越しでどうやって移動すればいいのか、わからないですよね。
また、相続の際に実家の仏壇を承継したり、古くなった家を建て替えたりする場合にも、仏壇の移動が必要になります。
仏壇の引越しは、冷蔵庫や洗濯機のように業者にお任せではダメなのかな?
基本的に、仏壇の移動も引越し会社にお任せで大丈夫です。
ただし、ご本尊などは自分で運んでくださいね!
ご本尊やご先祖さまを祀っている仏壇は、他の大型家具とは扱い方が違います。
そのため、仏壇を移動するには、事前に知っておくべき注意点が、いろいろとあります。
そこで、この記事では、引越し時の仏壇の移動方法と注意点、また供養や礼儀、荷造りなどについて、営業成績が10年連続1位の引越しのプロフェッショナルが解説します。
ぜひ、最後まで目を通してくださいね!
仏壇の引越しの供養と礼儀
仏壇の引越しの礼儀
仏壇は、単なる家具ではありません。
お仏壇には、仏さまやご先祖様の御霊が宿っていると見立てています。
このように、普段から手を合わせて拝んでいる仏壇を移動する際には、必要な礼儀があります。
具体的には、仏壇を移動する場合には、お坊さんにお経をあげてもらう供養・法要が必要になります。
仏壇の供養・法要の呼び方はいろいろ
仏壇から魂を抜くことを、閉眼供養(へいげんくよう)と言います。
宗派によっては、魂抜き(たましいぬき)、お性根抜き(おしょうねぬき)、御霊抜き(みたまぬき)、お精抜き(おしょうぬき)、遷仏法要(せんぶつほうよう)、とも言います。
反対に、仏壇に魂を入れることを、開眼法要(かいげんくよう)と言います。
魂入れ(たましいいれ)、お精入れ(おしょういれ)、お性根入れ(おしょうねいれ)、入仏法要(にゅうぶつほうよう)、とも言います。
必ずしも供養は必要とは限らない
仏壇を移動する際の供養・法要の必要性については、菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺のこと)や、ご家族の考え方によっても変わります。
そのため、以下で紹介することが、絶対的な正解というわけではありません。
迷ったら、菩提寺や仏具店に相談してみてくださいね。
それでは、一般的な仏壇の供養について紹介していきます。
引越しで仏壇の魂抜きが必要な場合
仏壇を家の外に出す場合は、魂をいったん抜く必要があります。
仏壇は、購入時に魂を入れています。
そのことで、仏壇は一般的な家具と異なり、手を合わせる対象になるからです。
逆に、移動後は仏壇に魂を入れる必要があります。
まとめると、引越しする場合は、以下の手順で仏壇を移動することになります。
- お寺に閉眼供養を依頼する(引越しの1ヶ月前くらい)
- 仏壇を魂抜きして頂く(引越しの1週間前くらい)
- 仏壇を新居に移動する
- お寺に開眼法要を依頼する
- 仏壇に魂を入れて頂く(引越し当日でなくても大丈夫)
入魂・魂抜きの時間・準備・お布施の目安
引越しが決まったら、まずは菩提寺に仏壇の閉眼法要を依頼します。
菩提寺とは、代々その寺の宗旨に帰依して、位牌を納めてあるお寺のことです。
引越し後のお寺については、菩提寺から新居近くのお寺を紹介してもらうのが一般的になっています。
連絡先 | あなたの菩提寺 |
連絡時期 | 引越しの1ヶ月前くらい |
お布施 | 1万円~3万円が相場 |
所要時間 | 15分ていど |
仏壇を供養する細かい作法は、宗派によって違います。
ただ、いずれの場合も、お経をあげて供養してもらうことには変わりありません。
引越しの1ヶ月前にはお寺に連絡して、供養して頂く日時や、事前に準備しておくものを相談しておきましょう。
以下は、仏壇の供養で準備するものの一例です。
■準備するもの
- おりん
- 木魚
- 香炉立て
- ローソク
- お線香
- 仏花
- 座布団
- お布施を乗せる切手盆
- お布施を入れる白封筒
お布施の渡し方
引用:https://www.yuinou.com/hirobuta/bon-index.htm
お布施の金額は、住職さんに確認してください。
宗派によって、費用は変わりますが、一般的な相場は1万円~3万円です。
お布施は、市販の白い封筒に入れて用意します。
お布施を渡すタイミングは、住職さんがお帰りになる前です。
その際、「切手盆」に封筒を乗せてお渡しします。
封筒を直接手渡すのは、マナー違反とされています。
仏壇の移動で供養が不要の場合
さきほど、仏壇を移動する場合は、供養・法要が必要と紹介しました。
ですが、供養が不要な場合もあります。
以下の場合は、仏壇の供養は必要ありません。
- 同じ家の中で、別の部屋に仏壇を移動する
- 同じ部屋の中で、配置換えをする
このように、家の外に仏壇を出さない場合は、供養は必要ありません(※)。
仏壇を移動する前は、線香を上げて、ご先祖にひとことお断りしてから、丁寧に仏壇を移動してください。
また、仏壇の移動後は、ご先祖に移動が終わったことを報告してください。
なお、「ご本尊(仏さまを表した掛け軸や仏像)」「位牌(戒名などの記された木の板)」「遺影(写真)」を運ぶ場合は、白い布で包むのが望ましいといわれています。
※宗派によっては、部屋を変えたら魂抜きが必要としているところもあるようです。
心配な場合は、先祖代々のお墓がある菩提寺へ相談してください。
引越し会社に仏壇の移動を依頼する方法
サカイ、アート、日通といった大手引越し会社では、他の家具と一緒に、仏壇の引越しを任せられます。
仏壇を引越しする準備
引越し会社に引越しを依頼する場合は、あらかじめ仏壇があることを伝えてください。
引越し一括見積サービスを使うときは、その他の欄に「仏壇」と記入したり、仏壇を選択したりしてください。
とはいえ、訪問見積もりの際に、営業マンが仏壇の大きさや、新居に問題なく入るかを確認するので、心配はしなくて大丈夫です。
引越し後に、新居のどこに仏壇を配置するのかを、決めておいてくださいね!
仏壇を引越しする時の料金は?
仏壇の移動は、一般的に美術品として扱うのでオプションとなります。
相場は、1万円~2万円です。
ただし、費用は引越し会社や、仏壇の大きさによって変わります。
引越し代金を節約するため、必ず複数の引越し会社で相見積もりをして、料金を比較してください。
おすすめの一括見積りサービスは、記事の最後で紹介しています!
仏壇専門業者もある
引越し会社によっては、仏壇の移動を専門にしている業者に、仏壇の引越しを依頼することもあります。
クーラーの引越しを電気業者に依頼するのと同じですね!
その場合、仏具のクリーニングを同時に行ってくれる所もあります。
分解、組み立ても専門業者なので、安心してお任せできます。
見積もりの際に、営業マンが詳しく教えてくれます。
引越し会社に仏壇の移動を依頼するときの注意点
引越し会社に仏壇の移動をお任せする場合に、注意点があります。
以下の仏具は、あなた自身で手で持って運んでください。
- ご本尊(仏さまを表した掛け軸や仏像)
- 位牌(戒名などの記された木の板)
- 遺影(写真)
これらの仏具は、白い布で包むのが作法とされています。
万が一の破損を防ぐため、ダンボールに梱包するのではなく、自分の手で持って運んでください。
自力で仏壇の引越しをする方法
続いては、引越し業者に頼まず、自力で引越しを行う場合の、仏壇の移動方法について見ていきます。
仏壇を引越しする準備
繰り返しになりますが、仏壇の引越し手順は、以下の通りです。
- お寺に閉眼供養を依頼する(引越しの1ヶ月前くらい)
- 仏壇を魂抜きして頂く(引越しの1週間前くらい)
- 仏壇を新居に移動する
- お寺に開眼法要を依頼する
- 仏壇に魂を入れて頂く(引越し当日でなくても大丈夫)
仏壇の魂抜きを済ませたら、仏壇を運びます。
仏壇の移動前に写真を撮影する
仏壇を移動する前には、写真を撮影しておきましょう。
新居に移動したあと、仏具の配置を元に戻すときの参考になるからです。
仏壇の荷造り・運搬
仏壇の梱包
魂抜きした後の仏具は、他の荷物とはダンボールを分けて、丁寧に梱包します。
香炉 | 火元が残ってないか確認する |
火立て | 水をふき取ってから梱包する |
壊れやすいもの | 仏飯杯・木魚・照明類・装飾類などは、緩衝材などで包む |
灯篭など | 天井から吊るされているものは、緩衝材で巻いて揺れないように固定する |
ご本尊・位牌・遺影 | 白い布に包んで手で運ぶ |
引越し会社に依頼する項でも紹介した通り、「ご本尊」「位牌」「遺影」は、白い布に包んで、ダンボールではなく自分のバッグなどに入れて運んでください。
仏壇の出し入れの順番
仏壇は、自宅への出し入れの順番があるとされています。
以下の手順が、正しい作法とされています。
- 退去時:仏壇が最後に家を出る
- 入居時:仏壇が最初に家に入る
基本的には、タンスなどの大型家具と同じ手順です。
大型タンスは、引越しするときは最後に家から出して、新居では最初に入れるのが一般的です。
その方が、段取りよく運搬できるからです。
このように、仏壇の移動は大型タンスなどと呼吸をあわせて移動するようにしましょう。
仏壇の移動・積み荷は立てたまま行う
仏壇を移動する場合は、横にしてはいけません。
トラックに積む時も、持って移動する時も、仏壇を立てた状態で運んでください。
どうしても横にしないといけないときは、扉が上になるように仏壇を持ちます。
車に積むときは、小さな仏壇であれば助手席に立てて乗せて、しっかり固定します。
仏壇が大きすぎて、横にしないと車に積めない場合は、引越し業者に依頼した方が無難です。
仏壇は高価なものですし、大切なものです。
傷つけたり壊れたりする心配があるので、仏壇の移動は専門家に任せた方が安心です。
引越しで仏壇を処分する方法と手順
事情により、引越しの際に仏壇を処分したい場合もあると思います。
ここまで紹介した通り、仏壇は通常の家具ではないので、そのまま粗大ごみとして処分してはいけません。
方法としては、以下があります。
- 菩提寺に引き取って頂く
- 仏壇店に引き取ってもらう
- 粗大ごみとして処分する
いずれの場合にしても、魂抜きが必要になります。
相場は、以下の通りです。
仏具の処分 | 2,000円ほど |
仏壇の処分 | 10,000円~40,000円ほど |
自治体や、移動距離によって金額が変わります。
まずは、先祖のお墓がある菩提寺へ相談してみてください。
ちなみに、その場合はお寺に仏壇を運ぶ費用とお布施が必要になります。
新居で仏壇を設置する方角と場所
続いて、新居に仏壇を運び入れるときの注意点を紹介します。
仏壇を置く場所
新居に仏間があれば、そちらに安置するのが望ましいです。
仏間がない場合は、湿気が多いところや直射日光が当たる場所は避けましょう。
仏壇を設置する方角は、東向きか南向きが好ましいとされています。
ただし、宗派によっては西向きが好ましいとしているところもあります。
迷ったら、菩提寺に相談してみてください。
神棚と仏壇の違い
神棚と仏壇の違いと注意点は、以下の通りです。
- 神棚:神様を祀る
- 仏壇:ご先祖さまを祀る
神棚と仏壇は、同じ部屋に設置すること自体は問題ありません。
しかし、向かい合わせに設置すると「対立祀り」となるので、避けた方が良いとされています。
同様に、上下に配置するのも踏みつける形となり、避けた方が良いとされています。
配置についても、迷ったらお寺に相談してみてください。
建て替え中に仏壇を預ける方法
家を新しく建て替える場合、一時的に仏壇を預けたい場合もあると思います。
このような場合は、閉眼供養のあとに、お寺や専門業者に預かってもらうことができます。
相場は、以下の通りです。
1ヶ月 | 2,000円~5,000円 |
迷ったら、あなたのお世話になっている菩提寺に相談するのが確実です。
まとめ
引越しで仏壇を移動する場合は、引越し前と引越し後に供養・法要が必要になります。
引越しの1ヶ月前には、祖代のお墓がある菩提寺に相談してください。
小さな仏壇であれば自力で運ぶこともできますが、仏壇を横にしないようにしてください。
大きな仏壇であれば、他の荷物と合わせて大手の引越し会社に運んでもらう方が安心です。
その場合、ご本尊、位牌、遺影については、自分で運ぶようにしましょう。
仏壇は、ご先祖を祀っている神聖な場所です。
破損しないよう、大切に対処してくださいね!
また、記事の中で紹介した、一括見積りサービスの詳細は、以下になります。
引越し料金を節約するために、必ず目を通しておいてくださいね!
引越しの見積もり料金は、一番高い会社と一番安い会社の差額が、なんと20万円を超えることがあります(家族で県外引越しの場合)
あいみつをするとだいたい20%~50%は価格が下がるので、複数社で見積もりを比較しなければ、何万円も損をしてしまいます。
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