現役の引越し営業マン
某引越会社の社員:ナカムラ
2006年より、某大手引越会社の営業を担当している現役の営業マン。営業成績10年連続全国1位。これまでの豊富な経験を元に、安くかしこく引越しするための裏事情をシェア(会社にはナイショ)。
引越し情報専門サイト「引越しママのみかた」を管理&運営している、某引越会社の社員のナカムラと申します。
引越しすることが決まったら、引っ越すお部屋探しのスタートです! 新しい生活をスタートさせることを考えると、ワクワクしますよね!
どんなお部屋にしようかなー♪
引越し先のことを想像するのは楽しいですよね!
引越し先を決めるまでの流れをざっくり言うと、
- ネットで気になる部屋を探す
- 不動産会社に問い合わせる
- 内見に行く
- 契約申し込みをする
- 審査を受ける
- 契約する
- 引越しする
という形になります。ここで重要なのが内見です。
引越しがうまくいくか行かないかは、内見によって決まる! といってもいいくらいです!
今回は、内見に失敗しないためのコツや、内見で忘れずに行いたいチェックリストをご紹介します!
内見の流れと心構えについて
そもそも内見ってなに?
「うちみ」ってなに?
内見は(ないけん)って読むんですよ。下見のことですね。
内見とは、内部見学を省略した言葉です。
不動産会社にお部屋を探していることを伝えると、2つ3つのおすすめ物件を紹介されて、「いまから実際に見に行ってみましょうか!」という流れになることが、けっこうあります。
このように、これから契約するかもしれない物件に実際に訪れて、お部屋の中を確認させてもらうことを内見と言います。
どうして引越し前に内見した方がいいの?
どうして引越し前に内見が必要なのかというと、不動産会社が提供しているインターネット上の情報だけでは、わからないことがたくさんあるからです。
例えば、騒音や臭いなど視覚以外の情報は、写真からではわかりませんよね?
他にも、細かいけれど大事な部分となるコンセントの位置や電波状況なども、実際に内見して自分で確認する必要があります。
引越し先は、これから毎日すごすお部屋になるので、部屋の中はもちろん、周りの治安や住人など「どんな雰囲気なのか?」を確認することも大切です。
毎日安心して暮らすために、内見はとっても大事です!
内見までの流れは?
内見の流れは、ざっくりいうと以下のような流れになります。
- 不動産会社で担当者と会う
- 住みたい部屋の条件を伝える
- 内見する物件に移動する(だいたい車で連れて行ってくれます)
- 内見する(2~3件を1日で回ることが多いです)
- 気に入ったら契約する
内見は、事前に不動産会社に連絡して予約した方が確実ですが、飛び込みで入っても状況によっては「今から見に行ってみましょうか?」と連れて行ってくれることもあります。
内見する物件までの移動は、営業車で連れて行ってくれることが多いです。
移動の最中には「この付近には○○があるんですよ~」と、周辺の環境も説明してくれることもあります。
内見が終わったら不動産会社に戻って、担当者さんが「いいところはありましたか?」と契約を匂わせてきます。
納得いった物件があれば契約をしますし、納得がいかなければ安易に契約はせず、他の物件を探しましょう。
内見するときに必要な持ち物は?
内見前に準備すること
内見は、まず不動産屋に行って、そこから担当者と一緒に物件に行くことになります。その前に、以下の準備をしておきましょう。
1:チェックリストをプリントアウトしておく
内見では、いろんなポイントをチェックすることになります。
チェックのし忘れがないように、チェックリストを事前にプリントアウトしておきましょう。
2:家具のサイズを事前にメモしておく
内見では、ベッドや冷蔵庫など大型の家具が、実際に引越し先のスペースに置けるのかをシュミレーションする必要があります。
そのために、大型の家具のサイズを事前にメモしておきましょう。
3:持ち物を準備する
内見に必要な持ち物を、あらかじめ準備して不動産屋に行きましょう。
上の項目と重複しますが、内見に必要な持ち物は以下になります。
- チェックリスト
- 筆記用具(スマホのメモ帳で代用可)
- 家具の寸法のメモ
- スマホ
- メジャー
スマホは、カメラ・ビデオ・コンパス・メモなどで使用します。
気になる部分は、スマホでどんどん撮影していきましょう!
内見するときの注意点
時間は午前中がベスト
内見する時はあらかじめ予約しておくと安心です。
その時、時間は午前中がベスト。
日当たりを確認できますし、朝早くからなら他のお客さんとバッティングせずに、効率よく物件を見て回ることができます。
1日に回る物件は3件ていど
不動産屋さんに行ってから、内見を終えるまでは3時間前後が目安です。
1件で1時間と考えて、1日で見て回れる物件は3件ていどです。
ある程度、物件は絞っていきましょう。
納得いかなければ契約を即決しないこと!
内見が終わると、担当者と一緒に営業所に帰ってきます。
不動産屋は売上確保のため「急がないと、他の人が入りますよ? もう、きめちゃいましょう!」とキメ台詞を放って、即日の契約を迫ってくる場合があります。
もし納得が行くのであれば契約していいのですが、少しでも不満や気にかかることがあれば、即断することは避けましょう。
担当者は、あなたのためを思って言っているのではなく、売上確保のために早めに決めるように言っています。
何度も何度も見て回るのも考え物ですが、初日で決めるほど焦ることはありません。
他の不動産屋ものぞいてみるくらいの、心の余裕を持ちましょう。
失敗しないための内見のチェックポイント
内見する場合は、営業担当者の話を聞きながらも、自分の心に正直に聞くことが大切です。
自分の心の声とは「この部屋に住みたいなー♪」とか「この部屋なら、いい生活になりそうだな?」とワクワクするかどうかです。
これが一番の基本ですが、ほかにもいろいろチェックする項目があるので、それを順番に見ていきましょう!
物件全般の内見
まずは、物件の全体的なチェックポイントを確認してみましょう。
不動産会社の人が信頼できる人物かどうか
内見の一番最初の部分になるのですが、案内してくれる営業担当者が親身な人かどうか、さりげな~く観察します。
私の場合は「おすすめのところがありますよ!」と言われて行ってみたら、日光が全然あたらない物件でした。
きっと、借り手が全然つかないから「おすすめ」ということで案内されたんだと思います。
結局、この担当者は早めの契約を促してくるばかりで信頼できなかったので、わたしは別の不動産会社に行きました(笑)
こういう担当者に当たってしまうと時間の無駄なので、早めに見切りをつけるのが個人的にはおすすめです!
壁の厚さ
壁の厚さは、隣人の生活の音がどれくらい聞こえてしまうかという心配もありますし、こちらの音が漏れてしまう心配もあります。
チェックの仕方ですが、壁をコンコンとたたいても意外と分かりずらいので、壁に耳を当てると判断がしやすいです。
におい
以前の住人がタバコを吸っていると、その臭いが残っている場合があります。もし不快な臭いがする場合は、担当者に聞いてみましょう。
ネットの通信環境
内見するとき、スマホを片手に持って電波が入るのかいちおう確認しておきましょう。
ただし、自宅の中にWi-Fiを引くなら問題ないです。
湿気
湿気が多いと、冬場は大変になります。出窓があれば、その周辺にカビた後がないかチェックしましょう。
また、ベランダのドアのサッシの周辺も同様です。塗り直してある箇所があると怪しいです。
ちなみに、1階の部屋は湿気やすいです。
私は新築マンションの1階に住んでいたとき、冬場の結露がものすごく、毎日雑巾を絞るハメになりました……。
新築なので内見しなくていいと思って、気付けませんでした(笑)
壁紙や床の汚れ
壁紙が汚れている場合は交換可能か確認してみましょう。床に傷が残っている場合も同様です。
耐震強度(耐震等級)
耐震強度とは、建物が地震に耐える力のこと。震度6強の揺れでも建物が倒壊しない強度として1.0を基準と基準づけられています。(出典:コトバンク)
耐震強度は1、2、3とあり、数字が上がると強度が上がります。
主に学校や病院などの耐震強度は2とされていますので、2あれば安心してよいでしょう。
ブレーカーの電圧
一人暮らしの場合なら30Aあれば十分です。
キッチンがIHだと20Aでは足りない可能性もあるので、その場合は電圧を上げることができるか担当者に聞いてみましょう。
ベランダ
ベランダは洗濯物が干せるか、物干し竿があるかチェックします。
部屋の眺めも重要なので、実際にベランダに一度出てみて、景色があなたにとって気持ちよいかどうかもチェックしましょう。
玄関まわりの内見
ドア・カギ
玄関のドアがどれくらい開くのか、幅はどれくらいなのかチェックしてメモっておきましょう。
大型家具の搬入のため、必要になる情報です。
また、ドアの開け閉めをして、ストレスがないか確認しましょう。
私の場合、ドアをしめるクッションがうまく作動してなくて、そーっとドアを閉めないで手を放すと「バターン!」と全力でドアが閉まるので、とてもとても苦労しました……。
カギのタイプが、安易にコピーされない形式かどうかもチェックしておきます。
ディンプルシリンダー錠などが好ましいです。
シューズボックス
シューズボックスは、収納できる靴の量や高さを見ておきます。
高さがないと、ブーツがうまく入れられなくなります。
通路の幅・広さ
玄関からお部屋に行くまでの通路の幅や広さがどれくらいあるのか、確認しましょう。
あまりに狭いと、荷物の出し入れが大変になります。
居間の内見
居間のスペース・窓の大きさの計測
出典:マンション・インテリアの基本
家具をうまく配置するためには、部屋のサイズを測っておくことが大切です。
ベッドやデスクなど、搬入する家具をイメージ通りに設置できるかどうかを確認するために、縦横の幅をメジャーで計測してメモしておきましょう。
私は縮尺を計算して紙を切り抜き「あーでもない、こーでもない」と家具の配置のシュミレーションを引越し前にしていました。
おかげで、無事に家具を配置することができました。
窓のサイズも計測しておくと、カーテンの購入を検討するときに重宝します。
日当たり
出典:https://blog.ieagent.jp/chie/heyahougaku-34107
写真では明るく見えても、実際に音連れてみると隣の建物で日光が遮断されている物件もあります。
スマホのコンパスアプリを使って、方角を確認しておきましょう。
なお、窓が開いている方向は、以下の順番で良いとされています。
1:南向き(日当たりが良い)
2:東向き(朝方の日当たりが良い)
3:西向き(夕方の日当たりが良い)
4:北向き(日当たりが悪い)
(出典:https://blog.ieagent.jp/chie/heyahougaku-34107)
エアコン
エアコンが備え付けてある場合、型番と年式を写真にとっておきます。あとで、ネットで調べてみてみましょう。
古いものと新しいものでは、消費電力が大きく変わってきます。
テレビ端子やLAN付きコンセント
テレビ端子やLAN付きコンセントが、部屋のどの位置にあるのか確認します。
テレビなどの家電を配置することを考えて「ここに置くなら、延長コードをこういう風に伸ばす必要があるな」といったシュミレーションをしておくと、いざ引越し当日のときに迷いがなくなります。
あとで延長コードを伸ばそうとすると、コードが生活空間の表に出てきて邪魔になります。内見の時点で、見取り図にコンセントの位置を書いておくとあとあと便利です。
また、コンセントの位置が高い場合は「ここを隠すための家具や植物を置こうかな~」というアイデアも出ます。
収納棚・クローゼット
クローゼットは、ロング丈の服がそのまま収納できるか確認します。
洋服をかけるポールがない押し入れのような場合は、つっぱり棒を使うことになりますし、ロング丈の服は折りたたんで収納することになります。
キッチン・水回り
キッチン
キッチンは調理スペースだけでなく、水道の水圧や、コンロがIHなのかガスなのかを確認します。
換気扇のフィルター交換についてもチェックしておきましょう。
また、調味料やカトラリー類、調理器具を収める棚がどれくらいのスペースなのか確認しておきましょう。
冷蔵庫置き場
コンセントの位置を確認して、冷蔵庫が置ける位置を確認しましょう。
壁紙には前の居住者の冷蔵庫の電化製品焼けがないかも、さりげなく見ておきます。
冷蔵庫を運び込んで「入らなかった!」なんてことにならないように、横幅だけでなく、高さも同時にチェック。
扉がきちんと開けられるかも考えておきます。
バスルーム
管理状況が悪いと、コバエがわくことがあるシャワールーム。他にもカビがないかチェックしましょう。
シャワーの水圧も可能ならチェック。
水圧が弱い場合はシャワーヘッドを交換してもらえるか担当者に確認してみましょう。
換気扇が動作することも同時にチェック。
洗濯機置き場
洗濯機の置き場所が、室内なのか室外なのか確認します。
もし室外の場合は、洗濯機を日光や雨水から守る外掛けカバーが必要になります。
トイレ
トイレは、水のたまり方をチェックしましょう。無駄に水位が高いと「おつり」がきて「ひゃっ!」ってなります(笑)
逆に水位が低すぎると、こんどは臭いが上がってきます。
トイレの水位がちょうどよいバランスであるかどうかは、意外と大事です。
トイレタンクの中も開けてみて、カビが生えていたら担当者に伝えて清掃してもらいましょう。
共用部の内見
エレベーター・踊り場・ゴミ捨て場
エレベーターの中は綺麗か? 踊り場には大型ごみなどが放置されて雑然としていないか? ゴミ捨て場には違う曜日のゴミが放棄されていないか? など、こういった共用部分は住人のモラルを確認できるところです。
気持ちよく住めるかどうかの判断になりますので、しっかりチェックしておきましょう。
郵便受け
郵便受けの形状は、中に手を突っ込んで抜き取ることができるタイプのものは、できれば避けたいところです。
また、ポスティングがどれくらい入っているのかもチェック。
駐輪場・駐車場
駐輪場があるかどうか確認します。
物件の資料には「有り」と書いてあっても、実際には路上駐輪の場合もあります。
駐車場は、歩いてどれくらいの距離なのかチェックします。
周辺の内見
道路の幅
荷物を搬入するためのトラックが、スムーズに入れるか引越し会社さんに確認されるので、物件の前の道路幅や一方通行などの交通規制について、チェックしておきましょう。
住人について
お隣さんや、上の階に住んでいる人の家族構成や生活時間をわかる範囲で聞いてみましょう。
例えば、隣が若い大学生だと夜中にサークルの友達を連れて騒いだり、水商売をしている女の人だと夜中に男を連れてうるさいなどの騒音トラブルがあります。
治安について
最寄り駅からの道は、夜もチェックして治安に問題がないか確認してみましょう。街灯が多い道や、交番が近くにあるか確認しておくと安心です。
また、子供の通学の経路も確認しておき、物件の周りにある交通量の多い道路もチェックしましょう。
近くの施設
スーパーやコンビニ、郵便局など、あなたがよく使う施設が近くにあるかチェックしておきましょう。
学校や公園が近くにある場合は、要注意です。
私の体験でいうと、催しごとのスピーカーの音がガンガン聞こえてくるので、朝はうるさいことがありました(笑)
工場や飲食店など
近くに工場や、物件の1階にコンビニや飲食店が入っていると要注意です。
臭いの問題もありますし、ゴキブリが発生しやすくなっています。
まとめ
内見のチェックポイントについてみてきました。
まとめると、以下のようになります。
- 引越し前に内見して全体的な雰囲気を確認する
- 内見するときにはチェックリストを持っていく
- 家具のサイズは事前にメモしておく
- スマホやメジャーなど持ち物を用意する
- 内見の時間は午前中がベスト
- 内見は1日に3件ていど
- 納得いかなければ安易に契約しないこと
納得のいく引越し先をみつけて、気持ちよく新しい生活をスタートさせましょうね!
内見チェックリスト
物件全般の内見
- 不動産会社の人が信頼できる人物かどうか
- 壁の厚さ
- におい
- ネットの通信環境
- 湿気
- 壁紙や床の汚れ
- 耐震強度(耐震等級)
- ブレーカーの電圧
- ベランダ
玄関まわりの内見
- ドア・カギ
- シューズボックス
- 通路の幅・広さ
居間の内見
- 居間のスペース・窓の大きさの計測
- 日当たり
- エアコン
- テレビ端子やLAN付きコンセント
- 収納棚・クローゼット
キッチン・水回り
- キッチン
- 冷蔵庫置き場
- バスルーム
- 洗濯機置き場
- トイレ
共用部の内見
- エレベーター・踊り場・ゴミ捨て場
- 郵便受け
- 駐輪場・駐車場
周辺の内見
- 道路の幅
- 住人について
- 治安について
- 近くの施設
- 工場や飲食店など
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